私の神様KOTOKOさん、静岡に降臨
12月20日(土)LIVE ROXY SHIZUOKAにて開催された、「KOTOKO LIVE TOUR 喜怒哀楽 ~Sad Winter~」に参戦してきた。
KOTOKOさんは2000年から現在まで、アニメソングや美少女ゲームソングを数多く歌っている歌手である。「『ハヤテのごとく!』や『灼眼のシャナ』の主題歌の人ですよ」と言えば、平成後期のアニメファンならだいたいわかってくれる。私にとっては「推し」と呼ぶには畏れ多い、「神様」だ。
私は、2008年にニコニコ動画を通してKOTOKOさんを知った。最初に聴いたのは、代表曲の『Shooting Star』、『Re-sublimity』や『agony』だったと思う。楽曲の世界観を理解したいがために、それぞれのタイアップ元のアニメ『おねがい☆ティーチャー』と『神無月の巫女』を視聴するくらい好きになった。
それからは、当時KOTOKOさんが所属していた、札幌の音楽制作集団I’ve(アイブ)の過去作アルバムを中古で買い集めるようになった。トランス・テクノをベースにした、ダークありバラードあり電波ソングありといった幅広い楽曲群に、ずぶずぶとはまっていった。
それ以降の人生は、いつもKOTOKOさんの歌声とともにあった。特に、振り返れば辛いことの方が多かった大学時代から20代にかけて、ずいぶんと救われてきた。人前ではニコニコ振る舞ってきた私の、誰にも見せない影の感情を代弁してくれた。
どうしようもないときの支え、言わば人生の歌『Face of Fact』。
己を奮起させた『We Survive』『Fatally』『原罪のレクイエム』。
両親への複雑な想いを重ねた『サイダー』『羽』。
絶望してとことん落ちたい夜の『Lament』『海豚』。
誰にも言えない後ろめたさに寄り添ってくれた『sensitive』『Abyss』。
狂ったように聴いた『oblivion』。
聴きまくったせいで今も時折口ずさむ『遮光〜かげり〜』。
曲名から歌詞から何もかも好きな『amethyst』。
2008年から4年間は東京で大学生活を送っていたため、ライブに行くチャンスはいくらでもあった。しかし、私にとってKOTOKOさんはネット空間とCDの中のバーチャルな存在で、実在の人物には思えなかった。つまりは神様だった。(同時期に好きになった、同ジャンルの桃井はるこさんのライブは観に行ったのに、今思えば不思議である。)
2015年のI’ve15周年記念ライブ「I’VE RADICAL ENSEMBLE OF 15th ANNIVERSARY」で、初めて生の歌声を聴いた。TOKYO DOME CITY HALLの一番後ろの方の席だったけれど、どうでもよかった。泣いたし、めちゃくちゃ興奮した。KOTOKOさんが実在の人物であることを認識した。それでもやっぱり神様であることに変わりはなかった。
時は流れて2023年、47都道府県ツアー「KOTOKO 20th Anniversary Tour 47 SKY」が開催され、ROXY SHIZUOKAにKOTOKOさんが現れた。初めて間近で観た神様に、私は泣いた。わざわざ札幌から、私の住む静岡まで来てくれるなんて。
そして2025年、また神様が静岡に降臨した。
1曲目の『泣きたかったんだ』からやられた。これは泣くしかない。MCもほとんどない、シリアス全開なKOTOKOさん。ずっとずっと、こんなライブが観たかった。47都道府県の喜怒哀楽ツアーのうち、静岡が「哀」に選ばれて本当に良かった。
『Lament』、『went away』、『ひとりごと』、『Feel in
tears』、『unsymmetry』、独りぼっちで聴いていたあの曲たちを、KOTOKOさんのライブでファンの皆さんと共有できたあの時間は何ものにも代え難い。
しかも、なんと二つのデビュー曲を歌ってくれた。2000年のI’veデビュー曲『Close to
me…』と、2004年のメジャーデビュー曲『覚えてていいよ』である。こんな素敵なセットリストが他にありますか。
「哀」がテーマだからしっとりした空気になると思いきや、『Re-sublimity』や『Sociometry』、『Restoration~沈黙の空~』といった切なくも燃える曲が挟まれて、ジャンプしたり拳を上げたりで汗びっしょりになった。
驚いたのは、終盤の『I pray to stop my cry』で会場が沸いたことだった。ライブで盛り上がる雰囲気の曲ではなく、むしろクラブで流れていそうなお洒落な曲だ。個人的に大好きで、後年に何度もカバー・アレンジ版が出ている2001年の名曲であるが、元がハードな内容の18禁ゲームの主題歌であることを考えると、すげえな・・・と思ってしまった。もしKOTOKOさんがメジャーシーンで活躍していなかったら、この曲もアンダーグラウンドな存在のままで、こんな地方のライブハウスで盛り上がることもなかったんじゃないかなと思うと、ありがたい気持ちになった。
今回のツアーは、辛い時期を乗り越えさせてくれた曲がいっぱい詰まった、あまりにも思い入れの深いライブだった。KOTOKOさんは、5列目くらいにいた私の、ぐちゃぐちゃな表情を見ていただろうか。あなたの作品に、こんなにも救われた人間がいることを、どうしても伝えたかったです。おかげさまで、今はあの頃よりも元気になって、あなたの前に立つことができました。また、あなたの御姿を拝める日が来るでしょうか。大好きです、KOTOKOさん。
追記。そういえば、ライブの1週間前くらいにKOTOKOさんが夢に出てきた。こんなことは初めてだった。私は泣きながら「あなたのことが大好きです」みたいなことを言って、握手したのを覚えている。小さくて、温かい手だった。そりゃあ、170cmの私が、150cmのKOTOKOさんの手を握ったのだから、そう感じて当たり前だろう。ということは、あれは絶対KOTOKOさんご本人だったに違いない。